日本の公正取引委員会(以下、「公正取引委員会」といいます。)は、大韓航空株式会社(本社:大韓民国 以下、「大韓航空」といいます)によるアシアナ航空株式会社(本社:大韓民国 以下、「アシアナ航空」といい、大韓航空とアシアナ航空を併せ「両当事者」といいます。)の株式取得について審査を行いました。公正取引委員会は、2024年1月31日、両当事者が提案した問題解消措置が実施されることを前提とすれば、かかる株式取得は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにはならないと判断しました。公正取引委員会の決定及び問題解消措置の詳細は、以下のウェブサイトを参照してください。

モニタリングトラスティーの選任 

S&W Partners LLPは(旧称Evelyn Partners LLP)、(a) 旅客事業に関する問題解消措置(後述のオープン・スロット方式を含む)、及び(b) 貨物事業に関する問題解消措置(ブロック・スペース契約)の一部の履行を監視することを目的として、モニタリングトラスティーに選任されました。

オープン・スロット方式の概要

背景

旅客事業に関する問題解消措置に基づき、両当事者は、スロットの譲渡先を広く募集する措置、すなわち、不特定の希望者(国際航空旅客運送事業者)に対し、特定の路線におけるスロットを開放し、スロット取得の申込み(以下「オープン・スロット方式」といいます。)を受けるものとします。

このオープン・スロット方式は、両当事者が3社(株式会社ティーウェイ航空、イースター航空株式会社及びピーチ・アビエーション株式会社。以下、それぞれを「スロット譲受事業者」といいます)に対し特定のスロットを譲渡することとは別に、実施されるものです。

本資料はIATA夏シーズン2026に関するものですので、ご留意ください。

IATA冬2026/27のスロット空き状況(ある場合)に関する情報は、2026年に別途公開する予定です。

IATA夏シーズン2026スロット空き状況  

モニタリングトラスティーは、IATA夏シーズン2026の下記路線のスロット申請を募集しています。

路線 スロット数 ICN

関西国際空港

KIX

関西国際空港

KIX

ICN
  出発 到着 出発 到着
大阪-ソウル 21 0755 0940 1050 1240
1405 1550 1700 1855
1920 2105 0910 1100

 

路線 スロット数 ICN FUK FUK ICN
  出発 到着 出発 到着
福岡-ソウル 14 0845 1015 1130 1300
1820 1940 2040 2210

 

申請者は後述の主要日程に留意されますようお願いいたします(IATA夏2026プロセスの主要日程のセクションを参照)。

優先順位付けの基準 

旅客事業に関する問題解消措置において、スロット譲受事業者は、申請が競合する場合において、自身がスロット譲渡を受けた路線につき、他の航空会社(以下「オープン・スロット申請者」といいます。)からの申請よりも優先されることが定められています。具体的には 、大阪-ソウル路線についてピーチ・アビエーション、福岡-ソウル路線についてイースター航空が、それぞれ優先権を有しています。大阪-ソウル路線について、ピーチ・アビエーションがその優先権を行使しないことを選択した場合は、チェジュ航空が優先権を有することとします(以下スロット譲受事業者とチェジュ航空を「スロット譲受事業者等」といいます。)。これらの優先権を有する事業者が申請した場合でも、その申請したスロット数が今回募集するスロット数に満たない場合には、残りのスロットは、適格性を有する申請者に割当てられます。

スロット譲受事業者等が当該オープン・スロット路線について申請を行わない場合(またはスロット譲受事業者等が申請したスロット数がオープン・スロット方式で募集するスロット数を満たさず、スロットが残っている場合)、及び複数の事業者からオープン・スロット方式の申請がある場合、モニタリングトラスティーは以下に基づき適格性の審査を行うものとします。

  • オープン・スロット申請者の適性を審査します。この審査基準には以下が含まれます。
    • 路線の運航能力
    • 既存のネットワーク
    • 事業計画
    • 財政状態
    • オープン・スロット申請者がその路線で既に運用しているスロットの状況
  • オープン・スロットの申請資格のある申請者間の優先順位は、以下の状況を考慮して決定されます。
    • 申請者が取得を希望するスロット数
    • 申請者が新規参入者または既存事業者か
    • 市場状況
    • 申請者の財務状況  
    • 各申請者がその路線で運航する予定の座席数
    • モニタリングトラスティーが適切と判断するその他の条件

オープン・スロットの申請者 (オープン・スロット方式に申し込んだスロット譲受事業者も含みます)は、IATA一般スロット申請手順に従って、同じスロットを申請する必要もありますので、ご留意下さい。

オープン・スロット申請者の義務

オープン・スロットの申請者(オープン・スロット方式に申し込んだスロット譲受事業者も含みます)は、承認されると、大韓航空と契約を締結し、以下を含む一定の義務を負うことになります。

  • 譲渡されたすべてのスロットを、譲渡日から少なくとも3年間、指定路線での運航に使用すること。
  • 譲渡されたスロットは、当該譲渡の日から少なくとも3年間は、指定路線以外の路線に使用しないこと。
  • 譲渡日から少なくとも3年間は、譲渡されたスロットを他の航空会社(両当事者グループを含む)に移転、譲渡、リース、交換、その他の方法で提供したりしないこと。
  • 大韓航空は、申請を承認されたオープン・スロット申請者及びオープン・スロット方式に申し込み、承認されたスロット譲受事業者等(以下、両者を併せて「オープン・スロット譲受事業者」といいます)が上記の要件を遵守せず、大韓航空からの是正を求める通知に記載された合理的な期間内に当該不遵守を是正しない場合、当該不遵守を公正取引委員会またはモニタリングトラスティーに報告し、オープン・スロット譲受事業者に対し、譲渡されたスロットを関連空港のスロット・プールに返還するよう求めることができます。この場合、オープン・スロット譲受事業者は、譲渡されたスロットを当該空港のスロット・プールに返却するものとします。

これらの義務は、大韓航空とのスロット譲渡契約書にも記載される必要があります。

IATA夏シーズン2026プロセスの主要日程 

  • 2025年8月20日 - 申請締切。
  • 2025年9月25日までに - モニタリングトラスティーが、すべての申請書を審査し、公正取引委員会に暫定的な承認を求め、適格なオープン・スロット申請者に対して事業計画書を募集。
  • 2025年10月9日までに - IATA一般スロット申請期限/事業計画書提出期限。
  • 2025年11月6日までに - IATA一般スロット申請に基づくスロット割り当て期限。
  • 2025年11月17日までに - モニタリングトラスティーが、オープン・スロット方式に基づき承認されたオープン・スロット譲受事業者に通知。
  • 2025年12月31日までに - 承認されたオープン・スロット譲受事業者と大韓航空との間でスロット譲渡契約(及び付随契約)を締結。
  • 2026年3月29日 – IATA夏シーズン2026の開始。

オープン・スロット譲受事業者の競争力を補完する付随契約 

承認されたオープン・スロット譲受事業者は、両当事者に対し、以下の付随契約の締結を求めることができます。

  • インターライン契約
  • 特別比例配分契約(Special prorate agreement)
  • ラウンジ利用契約
  • 地上業務契約
  • 燃料補給支援に関する契約 
     

なお、これらの要望が、両当事者が所有しない施設や、両当事者が提供しないサービスに関連する場合、両当事者は、オープン・スロット譲受事業者がかかる施設またはサービスに合理的にアクセスできるよう支援するために最善の努力を払うものとします。

申請書と連絡先 

申請書は希望者に配布されます。

モニタリングトラスティーへの申請書提出期限は2025年8月20日です。

申請プロセスに関するお問い合わせは下記までお願いいたします。

S&W Partners LLP
45 Gresham Street
London EC2V 7BG
United Kingdom

T: +44(0)204 617 55 00
E: keslotprocess@swgroup.com

CC: nasoul.gopal@swgroup.com 及びmichel.alexander@swgroup.com 
W: Expert monitoring trustee services(専門家によるモニタリングトラスティーサービス)